四角い板になるまでをご存知ですか?
木材は今ではホームセンターで誰でも買える身近な素材となりました。
ですが「その木材がどのように出来ていくのか」という過程は思いのほか知られていません。
今回は、丸太がどのように四角い板になるのかをご紹介したいと思います。
①製材工場敷地内で乾燥
山で伐倒(切り倒すこと)され、玉切り(適当な長さにそろえること)された丸太は製材所に運ばれてきます。
運び込まれた木がそのまま加工できるかといえば、そうではありません。
切り倒された木には油分や水分、灰汁といった、材として使用するには好ましくない物質が多く含まれています。
そのため、乾燥工程をしっかりと行わないと、材料としては品質の良くないものとなります。
弊社では主に風雨に晒しての自然乾燥が主ですが、必要に応じてボイラーによる短期乾燥も行っています。
木材としての品質は自然乾燥の方が安定性があり好ましいですが、各仕事の納期などを考えるとすべて自然乾燥では賄えないタイミングがあります。
そういった場合に乾燥機を使用します。
自然乾燥の場合は半年~数年かけての乾燥、乾燥機では1週間程度での乾燥となります。
②大割り
乾燥を終えた丸太をいよいよ加工していきます。
まず最初に行うことは『大割り(おおわり)』という作業です。
(魚をさばく工程で言えば「三枚おろし」に相当します)
丸太には、自然界で生えていた際の枝の跡が残っていたりします。一般的に『節』と呼ばれる部分です。
節が含まれた木材は脆く、加工も難しいことから大割りの時点で可能な限り有効に使えるように切り落としていきます。
こうした利用効率のことを考えた加工を総称して『木取り(きどり)』といいます。
③製材
『②大割り』である程度のサイズに切り出した木材を、一般的に使われるサイズに分割していきます。
(魚をさばく工程で言えば「サク取り」に相当します)
この工程で、おおよそ木材といえる形になってきます。
④仕上げ、梱包
製材工程を経た木材に鉋(かんな)をかけ、使いやすい数量ごとにパッキングしてパレットに積み込みます。
これで、一般的な木材としての加工工程が終了します。
使用用途によって形を変えられるのが木材の良いところ
今回は板材というか、一般的な木材としてのご紹介でしたが、
「出来るだけ木の形を生かしたまま柱に使いたい」
「一枚板のテーブルを作りたい」
「空手の模範演武で割る板材を作りたい」
など、お客様ごとに求める形や素材、強度が違います。
木材はその用途用途に合わせた形を取り出すことができる、非常に優れた素材です。
木の種類や乾燥期間、木が生えていた環境の違いなどで、一つとして同じものが無いのが木材です。
今回は、一般的な木材が出来るまでの工程を簡単にご紹介させていただきました。
工場見学や製材のご相談もお待ちしておりますのでお気軽にご連絡くださいませ。